眠りの神ピュプノスの宮殿は、太陽神が一度も訪れたこともない、雲と霧に覆われ、冥界のレーテ川の水音だけが聞こえる、寂しいずっと山奥の大きな洞窟にあります。

ある日、この宮殿に虹の神イリスが訪れた時のことです、宮殿の廻りには、ケシの花が辺り一面に咲き乱れていました、眠りの神ピュプノスは花を摘み、汁を集めているのです。

地上に、夜が来るとこれを一面に撒き散らします、鳥も獣も人間も全ての生き物を眠らせてしまいます。眠りの神の廻りには、どれも同じ姿をした夢がたくさん集まって遊びまわっています。

夢は、神の命令で、人間の眠りの中に入り夢を観させているのです。ケシの花が眠りの花と言われるのはこんな神話があったのです。